
「五月のかがやき」
一日一日が まったく新しい出発
いまは ただ 鋭く前方を見つめるだけ
後ろ振り向く さびしい動作は
年老いてから身につければよいのだ
目が 一定の方向を指(さ)す行為を
〈めざす〉と いう
心が 一定の方向を指す行為を
〈こころざす〉と いう
めざす行為と こころざす行為とが
五月のかがやきの中で連動するとき
澄んだ若い目は 鷹(たか)の目になる
躍動する若い心は 走る清流の心になる
目と心に 明確な標的の薫る日こそ
生涯で いちばん美しい日だ
◇
一日一日が まったく新しい出発
いまは ただ 鋭く前方を見つめるだけ
後ろ振り向く さびしい動作は
年老いてから身につければよいのだ
目が 一定の方向を指(さ)す行為を
〈めざす〉と いう
心が 一定の方向を指す行為を
〈こころざす〉と いう
めざす行為と こころざす行為とが
五月のかがやきの中で連動するとき
澄んだ若い目は 鷹(たか)の目になる
躍動する若い心は 走る清流の心になる
目と心に 明確な標的の薫る日こそ
生涯で いちばん美しい日だ
◇
思春期の若者たちに送る詩ですね。
五月というのは、一番気持ちのよい季節かもしれません。
若葉が繁り、成長していく季節です。
宮澤章二さんの「行為の意味」での、思いと「思いやり」の違い、心と「心づかい」の違いという表現を思い出す、印象的な言葉が出てきます。
「目指す」と「こころざす」という言葉。
目と心が、それぞれ一定の方向を指す行為、そういう風に考えると確かにすっきりします。
思春期の頃には、やはり何か目標があると、ぐんと伸びるんですね。
どこまでも止まることなく伸びていく。
そんな若くて失敗ばかりの、がむしゃらになれる日々を懐かしんで、こんな五月の日には、私たちも爽やかに行動してみるのもいいかもしれません。
写真は:北東北最大の水芭蕉群生地へ
http://photozou.jp/photo/show/1213213/134332748
by (C)akemiさん
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撮影者に許可を得て使用しています
無断転用はご容赦願います
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宮澤章二(みやざわしょうじ)
大正8(1919).6.11〜平成17年3月11日
東京大学文学部卒、高校教諭を経て文筆業(詩、作詞)
小中高の校歌は300校以上作詞
「ジングルベル」の作詞者としても知られる
「こころ」はだれにも見えない けれど「こころづかい」は見える
「思い」は見えない けれど「思いやり」はだれにもでも見える
CMで有名になった「行為の意味」の作者
宮澤章二
「行為の意味 青春前期のきみたちに」
「行為の意味 青春前期のきみたちに」