夜鳴くカエルは妻を慕って鳴き、
昼鳴くカエルは親を偲んで鳴く?!
昼鳴くカエルは親を偲んで鳴く?!
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part1
カエルの大合唱
カエルの大合唱
実家の前は、一角だけ田んぼでした。この時期になると、水が張られ、夕暮れの時間になると、その水面に、向こう側にあるスナックの灯りが映り込んで、なんだかライトアップされた湖畔にでも来たような雰囲気もありました。
ただし、その素敵な時間が過ぎ去ると、カエルが鳴き始めます。まさしくカエルの大合唱です。カエルは夜行性なのか、夜中(よるじゅう)けっこううるさいのです。
カエルたちにとってはロマンチックな夜なのかもしれませんが、高校生の乙女の頃、初めてその大合唱を聞いた晩は、なんだか気持ち悪くて仕方がありませんでした。
アマガエルならうるさいと言ってもかわいいですが、ウシガエルは本当に牛のように鳴くのです…。
その実家を離れて久しく、カエルの合唱を聞く機会はなかったのですが、数年前引っ越した家の裏側が、田んぼなのです。住宅地の間に、一角だけ残されています。
最初の年、いつの間にか田んぼに水が張られていたんだなと、水面に打ち付ける激しい雨を見ながら思っていました。
と、夕暮れを過ぎると、聞こえてくるのです。懐かしいあの声が。カエルの大合唱。けっこう激しいです。これは、かわいいアマガエルたちの声!(ウシガエルでなくてよかった・・・。)
私以外はそんな経験を持たない、夫や子供たちは新しい経験で、驚いていました。
「懐かしいか」と夫に聞かれ、複雑な気分でしたが、もう家族も慣れたのか、ああまた鳴いていると、子守唄のように眠ってしまいます。
本当に、すごい数のカエルたちが鳴いているに違いないのに、そういえば、今まで、そのカエルたちはどこにいたのでしょうか。とても不思議です。おたまじゃくしからカエルになるなら、この水田で孵化してカエルになる間はなかったはずなので。
きっと近くのどこかでひっそりと暮らしていたのでしょう。冬眠するはずなので、田んぼの中にでもいたのでしょうか。田んぼに水が張られるこの季節を待ち望んでいたんでしょうね。
おそらく田んぼも少なくなったので、カエルがいやでも集まってくるスポットとなってしまうのでしょう。
今しばらく春の繁殖期の間、カエルの大合唱に毎夜お付き合いすることになりそうです。
とても近所迷惑なのですが…。
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part2
アマガエルが雨が降ると鳴く理由(わけ)
part2
アマガエルが雨が降ると鳴く理由(わけ)
アマガエルについて調べてみますと、繁殖のために、夜鳴くのとは別に、雨が降る前に鳴く「雨鳴き(あまなき)」「レインコール」と呼ばれるものがあって、昼間でも鳴くとのこと。
雨鳴きについては、各地に伝わっている昔話があります。あまのじゃくなアマガエルのお話です。
むかしむかしある所にアマガエルの親子がすんでいた。しかし子ガエルは大変なヘソ曲がりで、親ガエルの言いつけと反対のことばかりやっていた。
いよいよ死ぬという時に、親ガエルは(墓が流されないように、山の上に墓を作ってもらいたい。しかしこいつは言いつけと反対のことをするから…)と考え、「墓は川のそばに建ててくれ。」と言い残し死んだ。
ところが子ガエルはこの時になって反省し、「遺言は守らなければならん」と、本当に川のそばに墓を建ててしまった。そのため雨が降りそうになると「親の墓が流される」と泣くのだという。
『アマガエルのヒミツ』 秋山 幸也
山と溪谷社 2004年3月より
山と溪谷社 2004年3月より
これは、親孝行の教訓になりそうなお話ですね。
確かに、あまのじゃくなアマガエルの話は滑稽ですが、ありがちな私たちの姿ではないでしょうか。
夜鳴くカエルは妻を慕って鳴き、昼鳴くカエルは親を偲んで鳴くんですね。
泣くことにならないように、あまのじゃくもやめて、奥さんにも親にも尽くしておかなければ(?!)ということになるでしょうか。
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