外国語を翻訳するように、
本は映画に翻訳されなくてはならない。
「ハウルの動く城」映画化について
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
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本は映画に翻訳されなくてはならない。
「ハウルの動く城」映画化について
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
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Googleがダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの生誕80周年だと教えてくれたので、取り上げてみることにしました。
この方は、イギリスの女流作家で、2011年3月26日に76歳で亡くなっています。
日本では、ジブリ映画「ハウルの動く城」の原作、「魔法使いハウルと火の悪魔」で有名となりましたが、ファンタジー作家として、また英女流作家として、ハリーポッター・シリーズのJ・K・ローリングをしのぐ実力を持つとも言われ、根強い人気のある作家です。
私もある時期、彼女の作品にはまりまして、そのストーリーの面白さ、発想の豊かさに、驚かされつつ、大いに楽しませて頂きました。
実は、私が図書館で繰り返し、新しい本を探しては読破した間、彼女の死は知りませんでした。死後出された本がないので、健在と書かれているものばかりだったからです。
ようやく図書館の本が無くなった時点で、ネット検索してみると、すでに亡くなった後で、あれらの物語の続編や、見事なストーリー展開やドンデン返しに、はらはらドキドキすることもないかと思うと、とても喪失感に襲われたのです。
もう1冊も読めないかと思うと、本当に寂しいです。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズは、指輪物語のトールキンの大学の教え子です。
そして、イギリスの古典や、ファンタジー、お伽話などを体に染み付くほどに理解しているがゆえに、さりげなくそういうもののエキスがにじみ出て、物語に深みを出しています。
そういうことに、もともとの素養がない日本人からすれば、その粋さ、背景に流れる歴史観、物語の雰囲気まではなかなか理解できません。
そういう意味では、あまりそういうことはしないのですが、彼女の作品に限っては、あとがきを先に読んで予備知識を得てから物語を読み始める、なんてこともしていました。
イギリスにはシェークスピアやオースティンなど、私の好きな作家が多いのですが、ファンタジー界は特に逸材を続々生み出しています。
先にあげたトールキンや、現在の女王J・K・ローリングの作品だけでなく、ピーターパン、不思議の国のアリスなど、多くのファンタジーが誕生しました。
妖精と魔法が生きていて、また幽霊が大好きな国柄、というのも様々なファンタジーが生まれる要素ともなっているんでしょうね。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、彼女の作品が読んでいて気持ちがいいのは、ハッピー・エンドが多いからでしょうか。
それもファンタジーならではの、不思議な悪夢のような状態を越えて、例えば悪の魔法の勢力にがんじがらめになっている状態から、ヒロインやヒーローが、諦めることなく、また、愛の力で切り抜けていくのです。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズの描く魔法の世界などの不思議な空間は、これは霊界に酷似していると、ある時気づきました。
おそらく素晴らしい感性の持ち主であり、かつ素晴らしいインスピレーションを得ないと書けないような内容ですので、神や霊的なものから与えられるイメージから、独自な世界を描いていったのだと思います。
霊界に似ているのですが、それは夢にも似ています。(夢というのは、霊界を映す鏡のようなものだと私は考えています。)
ある時までは、悪夢に近い状況を、一気にドンデン返ししていく時の爽快さ、これは誰にも書けるものではありません。
文章力、物語の構成力のみならず、その精神性が高くないと書けないと、思います。
彼女はきっと今、あの世に行かれて、御自身が描かれた世界との共通点に、驚いておられることでしょう。
私もいずれあの世に行ったとき、もしできるなら、もう一つか二つでもいいから、新しい物語を聞かせて頂きたいと、秘かに期待しています。
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「映画化について最初に聞いたときには、
長年宮崎のファンだったから嬉しかった」
「もし(映画化について)疑念があったら、
いつだって映画化を拒否する事ができた。
(原作を)変える事はわかってる。
外国語を翻訳するように、
本は映画に翻訳されなくてはならない。
二つは異なるメディアで、
活字で伝わる事が
そのまま映像で伝わるとは限らない。
多分出来上がった映画には
私も驚く事になると思うけど、
その覚悟はできてます」
「映画化について最初に聞いたときには、
長年宮崎のファンだったから嬉しかった」
「もし(映画化について)疑念があったら、
いつだって映画化を拒否する事ができた。
(原作を)変える事はわかってる。
外国語を翻訳するように、
本は映画に翻訳されなくてはならない。
二つは異なるメディアで、
活字で伝わる事が
そのまま映像で伝わるとは限らない。
多分出来上がった映画には
私も驚く事になると思うけど、
その覚悟はできてます」
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