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容疑者兄弟の両親は、息子たちの犯罪が信じられないようです。父親は、FBIの陰謀だ、とも言っています。
確かに、母親の話にもあるように、兄は数年前からFBIに過激派組織とのつながりを疑われていますから、ボストンの事件でFBIがすぐに彼に目星をつけたとしてもおかしくはありません。陰謀説ではないにしてもです。
彼らはネットを通じて過激化していったのではないかという見方が強いようです。
アルカイダなどでは、米国支配とイスラム教が破壊されようとしているという考えに基づいて、プロパガンダが行われているとのこと。
そういうものに煽情されたのでしょう。
ボストンの事件で使用された爆発物を詰めた圧力釜は、イエメンを拠点とするアルカイダ系組織の「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian Peninsula、AQAP)」が発行している英語版の雑誌「インスパイア(Inspire)」で製造方法が掲載されていた。この組織は「ジハーディスト志願者」に自分の国を攻撃するよう奨励もしている。
米国内のジハーディスト像に関するランド研究所の報告書著者、ブライアン・ジェンキンス(Brian Jenkins)氏によれば、「国産ジハーディスト」の74%がアメリカ国籍を持ち、そのうち49%が米国生まれ、29%が帰化した者だという。同氏はこのようなジハーディストの多くが「抱え持つ不満や怒りを(不特定多数と)共有・再確認できるインターネット上で、過激化への道を歩み始める」と分析している。
幼少時代に故郷などから追われると、後年、思想が過激化しやすくなるという傾向があるようですし、チェチェンにまつわる背景というのも、直接的ではなくても影響があるのでしょう。
共産政権下で、キルギスに強制移住から始まって、移民として苦渋をなめなければならなかった容疑者の家庭だったのでしょう。
兄は以前はオリンピックも目指したようなボクシングの選手、弟はレスリングの高校のオールスター選手で大学の特待生、そいういう才能がありながら、そういう意味で花開かせることのなかった人生、ということになりますね。
過激化に走らせたイスラムのその思想が問題、ではあるのですが、これはイスラム教の本来の思想ではないでしょう。イスラム教を利用したプロパガンダ。
強制移動させられた祖父母の世代や、チェチェン紛争の記憶のある両親、また彼ら兄弟も幼い頃から何度も移住を繰り返しています。
国がない、難民の生活というのはどれだけ辛かったでしょうか。
そういう中でも、明るく前向きに何も恨まずに生きている人たちもおられることでしょうが、背景そのものが恨みの強いものである以上、同じように恨みの強い思想背景に引かれていくのも、ある意味自然なことだったのかもしれません。
チェチェンは、イスラム教が盛んな国でしたが、ロシア帝国やソ連の圧政で、悲惨な境遇下に置かれた歴史があり、今でもテロの激しい国というイメージがあります。
推察するに、ツァルナエフ兄弟は、ロシアも米国も憎んでいたのではないでしょうか。
恨みや憎しみの背景というのは、こうやって能力のある若者を負の道に行かせる、そんな不穏なものを培養する空気なり土壌を作っていたのではないか、とも思います。
恨み、憎しみ、というものを持っていると、悪いものに利用されるんですね。恨み、憎しみを増長させるような、過激なイスラムのプロパガンダに煽動されてしまうことにも、なりやすいでしょう。
テロを憎む米国は、徹底的に排除し、攻撃しようとします。
9.11以降、拷問も行われたと明らかになっていますね。ビンラディンも殺害されました。
もちろん問題を起こす人たちが悪いのです。
しかし、それを、力で組み伏せようとし、そして、テロを行った人たちに対しては、徹底的に残酷なくらいにやっつけます。
感情が入っていますね。
憎しみに憎しみをもって報復しています。(私にはそう見えます。)
イスラム原理主義など、過激的な思想がいけない、といいますが、逆にアメリカのことを彼らは、「悪」だと思っているのではないでしょうか。
難しい問題ではありますが、彼らが自爆までしてテロ行為をしようとするのは、アメリカがイスラムを攻撃するから。アメリカを悪としているからです。
アメリカが完全ではないにしても、立派な国であると私なら思いますが、テロリストからすれば、アメリカほどの悪はないわけです。
ジハーディストたちは、テロ行為を悪だとは思っていません。アメリカはイスラムの敵。敵、味方となれば、相手は「悪」となります。
もともとは、恨みや憎しみという、種を持っていただけだったのでしょう。火がついたら、火種といいます。
恨みや憎しみは、心に起こったら、できるだけ早めになくしてしまわなければなりません。
昨日の「怒り」についてのお話と一緒で、深く息を吐き、笑顔を作り、自分たちの怒りの原因を検討して整理し、話し合い、前向きな答えを出していくのです。
どんなに辛い状況だったとしても、これからはうまくいく、これは私たちが大きくなるための試練であり、これをチャンスに変えるのだ、というように。
怒りを納めることはなかなか簡単ではありません。
子供たちは、些細なことで、けんかを抑えることができません。
被害者意識に立つとそれが毒になり、火種となり、自分を滅ぼす元となります。
容疑者の両親の様子を誰も責められませんが、そこにもいろいろ表れています。
両親は、息子たちのしでかしたことを謝るでもなく、FBIの陰謀だとまで言います。息子たちのことに責任を取ろうという姿勢はありません。ただの息子を愛する両親ではありますが…。
いつも、被害者意識を抜けきれず、何かのせいにしてきていたのではないか、と伺えます。
ボストンの爆発事件は、人の命を奪い、多くの人の健康な肉体を奪った、悲惨な事件です。それを起こした犯人は許されるべきではない、と思うのも当然かもしれません。
容疑者兄弟は、恨みや憎しみを納められず、何の罪もない人に、ぶつけました。
そして、今、彼らの憎むべき行為を、憎んで恨んで当然だとしても、やはりそういう思いは持ち続けたら、よくない、と思うのです。
当然とも言うべき、彼らへの怒りを鎮めるべきだと思います。簡単なことではないでしょうが。
しかし、こういう恨みの連鎖が続かないように、怒りが鎮火するように、心をこめて、祈っていきたいです。
関係者であれば、なかなかそのようにはなれないと思いますが、だからこそ、皆が慰労されるようにとも、祈ってやみません。
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