ブータンでは、龍は国旗にも描かれ、馴染み深いものだということです。ワンチュク国王が福島県相馬市の小学校で語られたお話です。
自分の「龍」を育てよう
〜子どもたちに伝えたかったこと
皆さんは、龍を見たことがありますか?
私はあります。王妃もありますね。
龍は何を食べて大きくなるのか知っていますか?
龍は、経験を食べて大きく成長していくのですよ。
私たち一人ひとりの中に「人格」という名の龍が存在しているのです。
その龍は、年を取り、経験を食べるほど、
強く、大きく、なっていきます。
人は、経験を糧(かて)にして、強くなることができるのです。
そして何よりも大切なことは、
自分の龍を鍛えて、きちんとコントロールすることです。
この「龍」の話を、私がブータンの子どもたちにする時には、同時に、
「自分の龍を大切に養いなさい、鍛錬しなさい」
ということを言っています。
わがままを抑えることや、感情をコントロールして生きることが大切なのです。
そして、訪問の最後の様子です。
「本当はその他にもいろいろ話したいことや物語がいっぱいあるので、次に日本に来る時には、私も日本語を勉強してきて直接もっともっと皆さんにお話ができればいいと思います」
と国王が話されると、次にマイクを向けられた王妃も、
「日本を再び訪れる時には、またこの学校に来ることを約束したいと思います」
と優しく話しかけられました。
「今度私たちが日本に来る時には必ずここに来ます。なぜなら今日私たちにはここで大変強い絆が生れました。ですので、この絆を大切にして、またここを訪れたいと思っています」
と国王も約束されると、教室は大きな拍手と歓声につつまれました。
昨日紹介したように、お二人はその帰途、ずっと手を合わしておられ、王妃の目から涙がこぼれたということです。
きっと、日本で数々の訪問、その都度様々な出会いがあったわけですが、一番国王夫妻が心を動かされたのが、福島の子どもたちの姿だったのでしょう。絆が結ばれたと感じてくださったこと、よかったなぁと思うのです。
「龍」というのは霊獣、つまり霊的な存在で、大切なものを守る守り神のようなものです。風水でも、四方に龍を初めとする霊獣を守り神として祭るのがいいとしていますね。(「太陽四神記」というドラマにもあった「四神」のひとつが龍です。)
国王のお話を聞くと、霊的な存在というのは、実は自分の中にあったんですね。自分の魂を鍛えるというお話、きっと子どもたちの心に届いたことでしょう。
筆者ペマ・ギャルポさんは、この章をこう結んでいます。
今度、両陛下が福島に戻ってこられた時、「龍」の話を聞いた子どもたちの龍がどのように育っているのか、いまからとても楽しみです。
「ワンチュク国王から教わったこと」は4つの章から成り立っています。
1 気づき
2 共感
3 祈り
4 学び
昨日と今日は、3の「祈り」から抜粋しました。
そして、国会演説の内容が全文が付録として添付されています。その内容は以前紹介していますね。
この本はきっと若い人に読んでもらいたいという前提のものなのでしょう。内容もとてもわかりやすく、中高生にぜひ読ませてあげたいと思うのです。
(私としては、もっと濃い情報がほしかったのですが。)
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参照サイト
ペマ・ギャルポ『ワンチュク国王から教わったこと』|PHP研究所