「 なみだよ 」
なみだで目をぬらすことができるから
人間の世界に生きていられるのだ
スポーツの 健康な戦いでさえ
勝ってもなみだ 負けてもなみだ
なみだが 感情を 美しく洗ってくれる
なみだよ 自分のためだけ湧くな
友だちや見知らぬ人たちのためにも
こんこんとあふれて 流れるがいい
流れるなみだがあたたかいのは
わたしたちのこころの いちばん奥の
一番あたたかい場所から湧くためだろう
なみだで目を清めることが出来るから
生きる日の澄んだ世界が見えるのだ
宮澤章二
◇
なみだで目をぬらすことができるから
人間の世界に生きていられるのだ
スポーツの 健康な戦いでさえ
勝ってもなみだ 負けてもなみだ
なみだが 感情を 美しく洗ってくれる
なみだよ 自分のためだけ湧くな
友だちや見知らぬ人たちのためにも
こんこんとあふれて 流れるがいい
流れるなみだがあたたかいのは
わたしたちのこころの いちばん奥の
一番あたたかい場所から湧くためだろう
なみだで目を清めることが出来るから
生きる日の澄んだ世界が見えるのだ
宮澤章二
◇
「自分のためだけに湧くな」
泣き虫の私には、これって厳しい言葉です。自分のためには、一番涙を流してしまうから。
もちろん、ついつい、涙もろくて、もらい泣きに、同情の涙もいくつも流しては来たのですが。
「涙が温かいのは、心の奥の、温かい場所から湧くためだろう」という言葉が心に響きました。
そして涙が、「目を清め、澄んだ世界が見える」ようになるという言葉にも、泣き虫の私も役立つかもしれない、と思ったのです。
そして、笑顔になれるのでしょう。
宮澤章二(みやざわしょうじ)
大正8(1919).6.11〜平成17年3月11日
東京大学文学部卒、高校教諭を経て文筆業(詩、作詞)
小中高の校歌は300校以上作詞
「ジングルベル」の作詞者としても知られる
「こころ」はだれにも見えない けれど「こころづかい」は見える
「思い」は見えない けれど「思いやり」はだれにもでも見える
CMで有名になった「行為の意味」の作者
宮澤章二
「行為の意味 青春前期のきみたちに」
「行為の意味 青春前期のきみたちに」