日の光
おてんと様のお使いが
揃って空をたちました。
みちで出逢ったみなみ風、
(何しに、どこへ。)とききました。
一人は答えていいました。
(この「明るさ」を地に撒くの、
みんながお仕事できるよう。)
一人はさもさも嬉しそう
(私はお花を咲かせるの、
世界をたのしくするために。)
一人はやさしく、おとなしく。
(私は清いたましいの、
のぼる反り橋かけるのよ。)
残った一人はさみしそう。
(私は「影」をつくるため、
やっぱり一しょにまいります。)
◇
おてんと様のお使いが
揃って空をたちました。
みちで出逢ったみなみ風、
(何しに、どこへ。)とききました。
一人は答えていいました。
(この「明るさ」を地に撒くの、
みんながお仕事できるよう。)
一人はさもさも嬉しそう
(私はお花を咲かせるの、
世界をたのしくするために。)
一人はやさしく、おとなしく。
(私は清いたましいの、
のぼる反り橋かけるのよ。)
残った一人はさみしそう。
(私は「影」をつくるため、
やっぱり一しょにまいります。)
◇
南風が吹く季節が近づきました。
この天の使いの三人は、嬉しそうに自分の使命を話します。いかにも春の使いらしく、明るい光を地にまいたり、花を咲かせたり、虹をかけたり。
しかし、この四番目のお使いの使命を聞いて、ただのメルヘンチックな詩ではないな、と思わされます。
「私は影を作るために一緒に行く」のだと。
美しい春の光、光があれば自ずから影が生じる、光と影はセットなんです。
春は明るい陽射しがあふれ、花が咲く美しく温かい面だけではなく、必ず影は欠かせないということのようです。
また、よく考えてみると、三番目のお使いの使命もすごいです。
「清い魂の昇るそり橋(虹)をかける」
春に旅立つ人は、こんな虹の橋で、あの世に送られるのかなぁと、想像すると、優しい気持ちになります。
いつの季節にも、神さまが準備した明暗というものがあるんですね。その中には様々に、優しい配慮がある気がして、何度も温かな気持ちにさせられる詩だと思いました。
写真は:春だ春だよ、万歳!! 万歳!!
by (C)芥川千景さん
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撮影者に許可を得て使用しています
無断転用はご容赦願います
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