ロンドン暴動で初の死者、マンチェスターにも飛び火
国際ニュースAFPBB
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英ロンドンの暴動、市内各地に火の手 バーミンガムやリバプールにも飛び火
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昨日、暴力の記事を書いたところだったのですが…。
暴力の火種は、広がり、また飛び火するそんなことを最後にお話しました。
どうしてこんな風になったんでしょうか。元々は、警察と撃ち合いになった末射殺された青年に対する抗議から始まったというこの暴動。
イギリス各地に飛び火して、店などから強奪をする暴徒と化して、警察ですらそれを取り締まれない現状だといいます。
日本の大震災で、日本人が並んで物資を買い求める姿に感嘆するという欧米人ですが、すなわちこういうことです。
きっかけさえあれば、暴徒になる、若者は特にそういう負の刺激に影響を受けやすいのではないでしょうか。
自分が何かを得るために、暴徒となる。食料、衣料品、電化製品…、略奪していいものと誰が決めたのか、何かに煽られて、罪の意識を押しのけて罪を犯すのです。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という日本的な標語にも通じるのですが、どこか違います。「赤信号」というのは危険であって、自分の身にかかるものです。「罪」といえるかもしれませんが、「マナー」的なものでしょう。もちろん事故になれば、相手にも大迷惑とはなりますが。
この場合の暴徒たちは、街を破壊し、人のものを略奪しているのですから、これは犯罪行為なのです。そして、多くの負傷者と共に、ついに犠牲者が出たということです。
どうしてこんなふうになってしまったのか。壊したものは、簡単には元には戻りません。壊すのは簡単ですが、修復には、時間もお金も労力もかかります。
いろんな思いがあるでしょう。社会に対する不満が噴出したのだということらしいです。この機に便乗して、自分のウサを晴らしているのでしょう。
暴動はロンドン南部のほか、北西部のリバプールや西部のブリストルにも騒動は拡大。暴動に加わる若者たちの中には、襲撃の際に携帯電話やツイッターを使って連携を取る者もいる。
参加者はその多くが高い失業率が続く地域の出身者とみられ、緊縮財政策が進められている英国で社会福祉サービス削減の影響を受けている層とも言える。
来年に迫った夏季五輪の会場にも近いロンドン東部のハックニーでは、フードをかぶった若者らがごみ箱に火を放ったり、警官隊に向かって瓶やがれきを投げ付けた。ある若者は「長年にわたって積み上げられてきた。必要なのは着火のきっかけだった」と、鬱積(うっせき)した不満が暴動の背後にあったと語り、「仕事もなく、金もない。ただで物を持っていく人がいると聞いたから、それなら俺たちもと思った」と悪びれず語った。
略奪の標的とされているのは携帯電話やスポーツ用品、洋服で、貴金属店や質屋も狙われやすいという。液晶テレビやパソコン台を頭の上に載せて歩く若者の姿も見られたが、警察はこうした略奪を取り締まりきれていない。
8日の騒動は帰宅時間となる夕方ごろから始まり、暴動が起きた地域ではバスが不通になったため、多くの人が徒歩による帰宅を余儀なくされた。
焼け焦げた車が道路に放置されたハックニーでは、中年女性が「どうしてこんなことをするのか分からない。無意味で、自分の住む場所を破壊しているだけだ」と声を震わせた。
8.8ロイター
かつては大英帝国を誇った英国。発展途上国ではなく、先進国に名を連ねるその国で、若者が暴挙を行っていてる状況に、栄光は地に落ちているなぁと感じました。英王室では今年世紀の結婚式が行われましたが、国の状況を見れば、空しくも感じられます。
どうしてこんな暴挙が起こるのか、どうしてこんなふうになってしまったのか…。いずれ、鎮まった時に、我に返った彼らは何か思うでしょうか。
暴力は暴力しか生まず、それを抑えるのは一人一人の心にかかっています。彼らが街を愛し、人を大切に思う気持ちがあるなら、暴力を抑止することにつながるでしょう。
いったん暴徒なってしまうと、なかなかその勢力が止まりません。どんどん広がるし、飛び火します。
必死でやめてくれと止める家族がいれば、若者も暴徒にはならないでしょう。
ジブリの昔の映画「風の谷のナウシカ」で、仲間を殺されたことで、おとなしい生物でありながら怒り来るってしまったオームが群れをなして襲ってくるのですが、普通の目の色をしたオームが、どんどん感化され目が赤くなり、その大群に加わっていってしまいます。(ご存じない方は、怒ったマンモスの大群を想像してくれたらそれに近いものがあるかと思います。)その狂った大群を鎮めたのは、ヒロイン、ナウシカの捨て身の愛と勇気でした。
映画ではないので、ナウシカのようなヒロインは現実にはいないのでしょうか。キャメロン首相や、エリザベス女王のお声も、彼らに届くかどうか…。