産経ニュース【主張】道徳教育 大切にしたい公共の精神
↑上記記事では、
「品性を高め、完成を磨く道徳は教育の根幹だ」
「徳育」をおろそかにしてはいけない、と結んでいます。
さて、各地で起こっているタイガーマスク現象。
元祖「タイガーマスク」というのは、自分の素性を隠し、出身の孤児院の子ども達にプレゼントを贈り続けていました。
アニメが流れていた頃から考えると、タイガーマスクの実年齢は団塊の世代かもしれませんね。
戦後教育を真っ先に受けた世代です。教育はそうですが、彼らを教えた人や、周囲の大人は戦前の教育を受けた人たちだったはずです。
戦前戦中は、「修身」という授業があったといいます。
軍事政権が敗れて米国の指導の下、戦前の全てのものは破棄され、悪いものとされたのですが、「修身」そのものが悪いとは思えません。
「仁義忠孝」を中心とする儒教教育が取り上げられていて、だんだん時代により戦時色は強くなるものの、
わかりやすくいえば、親孝行、兄弟仲良く、夫婦円満、人格を磨くこと、
そして多分これが問題になったのでしょうが、イザという時は国のために力を合わせること、そんな公共精神を育てるものでした。
戦後の個人の自由、「個性」の重視ばかりの教育は、もっとどうかなぁと思うのです。
困った人に手を差し伸べる、そんなことが「タイガーマスク」の精神ではないのでしょうか。
それも自分が姿を現すことなく行うというのは、陰ながら徳を積むという
「陰徳」そのものではないかと思います。
弱気を助け、悪しきをくじく、「正義」のヒーローです。
正義とは、自らを犠牲にして人や世のために正しく善い行いをすることです。
今の「道徳」教育の中で、どれだけそれを子どもたちに浸透させられるのか、疑問ではあります。
個性や個人を尊び過ぎると、公共のことは二の次になります。
道徳というのは、「公共心」を育てる面と、「人権擁護」の側面があると思います。「世」と「人」、どっちも大切なんですね。
どちらが大切かといえば、今の日本に欠けているものはより「公共心」の方ではないでしょうか。
「いざ鎌倉」という精神が私は好きです。
「修身」の中で取り上げられていた逸話は今の時代の私たちにも役立つはずです。
タイガーマスクはちょっと違って弱い者の味方ですが…。
それは当時の時世を繁栄しているのでは、と思います。
タイガーマスクが出てきてしまう世の中というのは、可愛そうな人が増えている世の中なのかもしれません。豊かになったはずが、逆行してるのかもしれません。
人権擁護、弱者への援助も大切です。
そのためには、公共心をもった人たちの支えがなければならないのです。
身近な地元から、タイガーマスクの役割を皆ができればいいのでしょう。
そうすれば、彼のような人はもっと大きなことをしてくれるに違いありません。
日本はかつてのような「高度成長」をすることはないかもしれません。
あの頃の日本を支えたのが「団塊の世代」と言われる人たちでした。
まじめにコツコツと、それこそ自分も家庭も省みないくらい社会に尽くしたのです。
今からの私たちは、国の枠を越えて、より質の高い「心の高度成長」をしていかなければならないでしょう。
日本人の何を尊敬されるかと言えば、「勤勉」と「誠実さ」です。
そして「我慢」という目立たない美徳もあったかと思います。
私は、ボランティア時代、それほど有能な人材でも何でもありませんでしたが、誰よりも早く起きて、誰よりも遅く寝たのです。そして、現地メンバーのことをあまり皆が気づかない所で心配して配慮したりました。
「日本人はいい人だ」というのは、そういうところから出てくるのだと思います。
子どもたちに、何を伝えるか、それは私たちのとても大切な未来を担う問題です。先生だけではなく、大人たちが真剣に伝えていかなければならないことかと思います。
やはり、「教育の根幹は道徳である」と思うのです。