花のたましい
散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。
散ったお花のたましいは、
み佛さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。
花は優しいから、天の尊いお釈迦様のおられる花園に咲くようになる。
どうして花が優しいかというと、
太陽が呼ぶとき(陽射しがある時)に花を開いて、微笑むから。
蝶に甘い蜜をあげるから。
私たち人にはその香りで喜ばせてくれるから。
風に素直に揺られ、花びらを散らし、
その散った花びら(花のなきがら)は、ままごとのご飯になってくれるから。
こんな風に捉えられるみすゞこそが、優しい人で、
たった一人でいるようなさびしい人の心にも、その詩でさっと花園を作り、
香りを運び、慰めてくれるのです。
花のような人、だから散ってしまったけれど、ずっと人の心に咲き続け
香り続け、ままごとのご飯のように、和ませてくれるのです。
そんな花の香りを楽しむように、この詩を読んでみてください。
写真はひでわくさん「和泉川さくら」
夏の猛暑のせいで昨年二回目の開花をした桜だそうです
11/7撮影
夏の猛暑のせいで昨年二回目の開花をした桜だそうです
11/7撮影